河北潟また聞き情報

ここに書かれている情報はすべて間接的に聞いた話なので正しいかどうかは全く責任もてません
正しい情報を知っている人はぜひ教えてください。

お品書き
・ツバメのねぐら入りの話 ・食料自給率と環境の話  ・津幡排水機場の話  ・ゆうきの里の話II  
・アシの浮島の話  ・アシを利用した腐葉土の話  ・食肉センターに取材した話  ・カモの食害の話  
・干拓地の排水ポンプの話  ・河北潟の関係機関について    ・舟の話   ・浅野川の話  
・動物プランクトンの話
 ・モクズガニの話   ・フナの話   ・ゆうきの里の話   ・河北潟の堤防の話   


ツバメのねぐら入りの話

石川県では全小学校(約240校)の6年生を中心に約14000人を動員して毎年ツバメ調査というのをやっている。
というか、やらされている。なんと1971年からずっと続けられているそうだ。(そう言えば自分もやったかも・・・)
しかし、小学生が目にするツバメの数なんて、たかが知れている。実は、そこで出てくる結果なんてうそだろ、という
ぐらいツバメが集まってきて、それも一度に見ることができるスポットが河北潟に存在するのだ。

夏のちょうど日没のころ、河北潟の潟縁のアシの中へ、または干拓地の耕作されていない区画のアシやセイタカ
アワダチソウの群落の中へ、ツバメが寝るために入ってくるのである。その数は5万羽とも6万羽とも言われている。
日没30分前ぐらいからツバメが集団でみな同じ方向に飛んでいくのを見ることができる。
橋の上に車を停めてしばらく観察していればよくわかる。
そしてツバメの飛んでいく方向に車を走らせるとツバメのねぐらにたどり着く。ねぐらはその年その年で変わるらしい。
そこでは空が黒くなるほどツバメで埋め尽くされ、ツバメはピチピチさえずりながら飛び回り、暗くなるに連れて低空
飛行に変わり、次々にスイッ、スイッとアシの中に入って留まる。
アシの中に入ってもしばらくはピイピイうるさい。日が完全に落ち、周りの区別がつかなくなるころ、辺りは虫の声
しか聞こえなくなる。
最初にそのねぐら入りの様子を見たときは感動的だった。こんなにもツバメがいるのか、と素直に驚いた。
ツバメ調査はツバメの巣とその辺を飛んでいる成鳥の数だけを数える。子育てをしない若い鳥の分やヒナの数は
数に入っていないのである。8月の夕暮れにはそれらが全部混ざって飛んでいるのだから、それは数が多いのは
当たり前といえば当たり前である。
鳥は集団で寝ることが多いのは、やはり夜行性の肉食動物から身を守るためだろう。さらに水際のアシ原で寝ると
4つ足の動物の危険から逃れられる。かれらの知恵なのだ。
河北潟周辺にあれだけたくさんツバメが集まってくることは、それはすばらしいことだ。しかし逆に、他のところでは
安心してツバメが休める場所が減っているということなのかもしれない。
9月ごろから、ツバメは集団でねぐらの上を旋回し、順繰りに南の方へ旅立っていくそうである。

さて、もうすぐ8月。今年のねぐらはどの辺だろうか。
2005.7.16

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食料自給率と環境の話

日本の食料の自給率は40%ぐらいだと言われる。外国からわざわざ船に乗せて、あるいは飛行機に乗せて
日本人が食べる食料を運んでくる。この時点で石油燃料を大量に使っているので、環境に悪いことは明白だ。

しかし環境に悪いのは、石油燃料を使うことだけだろうか。この食料の輸入を有機物という観点でながめてみたい。
食料といえばほとんどすべて有機物である。食料は人間の口に入り、そしてウンチやおしっことして排出される。
体を作ったり、活動のエネルギーになったりするが、結局分解されて排出される。そしてそれを人間は自然の
中にもどしている。人間の口に入らなくても(つまり食べ残し)ゴミとして、人間は自然の中に捨てている。

要するに、日本人は外国で作った有機物をわざわざ運んできて、最終的に日本の川や山や海に捨てているの
である。食料の輸入と消費は、有機物の大移動とも言えよう。
もし日本で作られた食料を、日本で食べ、日本の自然に返しても、それは日本の中で循環しているだけで、
プラスマイナスは0である。
しかし外国で作られたものを日本で消費すると、日本の中の有機物がどんどん増える。しかも60%だ。
これだけ入ってくると、日本の川や海や山が汚れるのは当たり前である。

交通の発達は物の流れを活発にした。それはそれで経済的に恩恵を受けられてよかっただろう。
しかし、その土地の有機物の循環のサイクルをどこかで断ち切ってしまったのではなかろうか。
交通は発達しない方が環境にとってよかったのではないだろうか。
それとも有機物を輸入した分、下水やゴミを輸出するか。

今こそ地産地消という観点を大事にすべきだと思う。
2005.2.20

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津幡排水機場の話

河北潟干拓地には、干拓地に降る雨をくみ上げて河北潟へ流す排水機場が4つある。津幡排水機場、金沢
排水機場、内灘排水機場、宇ノ気排水機場だ。そのうち津幡排水機場にだけ24時間体制で人が勤務している。
干拓地はもともと河北潟の水の底だったところなので海抜でいうとマイナス2mぐらいである。ちなみに広さは
1359ha。平方メートルにすると13590000mである。
この面積に降った雨は幹線排水路へ流れこむ。排水路はさらに低く、海抜マイナス4mぐらいだそうである。
干拓地にはもみ殻を利用した暗渠排水が張り巡らされている。畑の作物は水には弱いので、何としても水に
つからないようにしなければならない。
そして、排水路に集まった水はそれ以上どこへも流れていかないので、排水機場のポンプで河北潟(海抜50
cmぐらい)の方へくみ出すのである。
雨はいつ何時降ってくるかわからない。それで24時間体制なのである。しかも津幡排水機場で他の3つの排水
ポンプと内灘放水路の水門をリモート管理しているのだ。見学に訪れたとき、内灘の放水路の水門がモニター
画面に映っていて感動した。こんな遠くから管理しているのだ。
津幡排水機場の2台のポンプであるがディーゼルエンジンだそうである。つまり、災害で停電になったときにも
ちゃんと動かせるのである。これは心強い。
ポンプはしょっちゅう動いているらしい。考えてみよう、1359haに1cmの雨が降ったとして、それが排水路に
ほとんど全て流れこんだとしたら、13590000m×0.01m=135900m3 つまり135900トンの水の量に
なるのである。いかにポンプががんばっているかがわかる。

しかし、雨によって、干拓地内の畑でまかれた肥料分のどれだけかが、排水路に流れ込んでしまう。
その栄養分たっぷりの水を、ポンプは一生懸命そのまま河北潟の方へ出しているのである。

これでは富栄養化がますます進むではないか! 

水質を改善しようとは思わないのか? 素朴な疑問に対する答えはこうだった。
「いやーそこは気になるところなんですが、大雨が降ったら、宇ノ気川や津幡川からもっと多くの水が入り込むので、
栄養分たっぷりでも、結局薄まってしまうので・・・・」

まあ出していることには変わりはない。
洪水への対策、農業用水の確保、水質の改善。全てを網羅して何とか取り組めないのだろうか。
担当する部署がバラバラだから、仕方ないのだろうか。
2005.2.20

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ゆうきの里の話II

干拓地の酪農団地から年間3万トンの牛の糞尿が出るそうだ。それを一手に引き受けて堆肥に変えるのが
ゆうきの里である。ここで生産される「かんとりースーパー河北潟」はすごいらしい。

何でも80℃の高温で発酵処理され、30000トンの糞尿は10分の1の3000トンの肥料になるという。
そのうち1000トンは「もみ殻堆肥」をつくるのに使い、残りの2000トンが出荷されるそうである。
このうち半分の1000トンは、山を切り開いた道路のわきの崖のくずれ防止の草のための肥料や芝生地などに
使われるということだ。能登空港ができたときには800トンもの注文があり、徹夜で作業をしたそうだ。

80℃以上の高温発酵させるので、いやなにおいがなくなり、有害な微生物(大腸菌など)や雑草の種を死滅
させた非常にクリーンな肥料になるらしい。
また他の牛ふん堆肥と比べて、水分が少ない(30%)のも特長である。他の肥料より扱いやすいのである。

それだけではなく、畑のもともとある土もじわじわといい土に変えるはたらきをもっているため、畑全体がよくなる
らしいのだ。「一度使うとやめられない(・・・専務談)」 らしい。
当初2,3年は在庫をかかえて大変だったそうだが、最近はリピーターが増えて生産した分がちょうど売れるそうである。
粉状のものに加えて、粒状(ペレットタイプ)も開発され、畑にまきやすくなり、また風で飛ばされたり雨で流されたり
しにくいというのもなかなかよいではないか。
惜しむらくは値段(20kg500円)であるが、次のように考えてみてはどうだろう。

どっちが「お得」か考えてみよう!
  かんとりースーパー河北潟
           ・・・・  20kgあたり 500円=水分30%→つまり固形分70% ということは 20kg×0.7=14kg  で500円
  安く売られている牛ふん堆肥
           ・・・・  20kgあたり 300円=水分60%→つまり固形分40% ということは 20kg×0.4= 8kg  で300円
しかも、
ふつうの堆肥は畑10アールあたり、3000kg(150袋:300円×150=45000円)必要だが、
   「かんとりースーパー河北潟」は1000kg( 50袋:500円× 50=25000円)でちょうどいいらしい。

毎日、年中無休でゆうきの里のトラックは酪農団地を回り、牛糞を回収する。酪農家は回収料を払うらしいが、
自分のところで処理したときにかかる費用の3分の1ぐらいなのだそうだ。
この会社は排水の処理も徹底しており、河北潟をきれいにする表彰モン(・・・専務談) だそうだ。
ちなみに株式会社なので、県などから補助金はもらえないそうだ。

平成12年にこの会社ができるまで、牛ふんはどう処理していたのだろうか?
2005.1.28

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アシの浮島の話

才田大橋から東部承水路側にはアシやガマが生えているが、その反対方向の才田大橋から内灘橋までの
けっこう長い堤防はあまりに直線でアシやガマはほとんど生えていない。ここは西からの風により、波がガンガン
ぶち当たり、アシが根付かないそうだ。
ここに波よけの柵や粗朶(そだ)などを設置すれば、アシやガマが根付いていき、浄化作用や生き物のすみかと
して期待できるはずなのだが・・・。

という 受け売り話を条南小の子どもたちにしていたところ、
「じゃあ、ひょっこりひょうたん島みたいに浮かしてしまったら?」
と言う子がいた。

ナイスである。実にナイスである。
テレビでひょっこりひょうたん島が復活し、モーニング娘。が主題歌を歌って、子どもたちには なじみがあるし、
プールで畳1枚分ぐらいのビート板のお化けのようなウレタンのボードをよく使っているので、そのイメージも
重なったようだ。
水に浮かぶマットのようなものにアシの苗を植えて成長させる。浮かんでいるので、波に合わせて上下して漂う。
サギやカモ類がその上で休み、その下には魚たちが集まる。
波の上下や岸辺にぶちあたる波の強さに負けないぐらいに大きくなったらしめたものである。
風によって流されるかもしれないが、もし小型のボートで引っ張ってこれるなら流されてもかまわない。
冬になり、刈り取りの季節になったら、そのマットごとクレーンか何かで、ずるずると引き上げてしまえばよい。
問題はマットの材質を何にするかである。水に浮き、根が張りやすく、バラバラにならないほどの強度をもち、
もしちぎれても自然の中に帰っていくような、そんな材質のものは果たしてあるのだろうか。
2004.3.21

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アシを利用した腐葉土の話

アシは水の栄養分を吸ってどんどん育ち、その結果、水を浄化する作用がある。しかし、冬になって
大きくなったアシが枯れると、そのまま水の中でくさり、また水の中へ栄養分として もどってしまう。
つまり水をきれいにするためには、大きく育ったアシを水へもどさないで何かに利用していけばよいのだ。
琵琶湖の方では昔からアシを特産品として有効に利用しているが、最近は安い中国産に押されてけっこう
厳しいらしい。しかしそんな中でも新しい動きはある。
アシを利用して芸術作品をつくろうとしている京都嵯峨芸術大学の学生には、昨年6月に近江八幡市の
ヨシ博物館を訪れたときに出会ったのだが、調べているうちにその人たちのページが見つかった。

そんなこんなでアシの利用法を調べていると、アシを使った腐葉土を紹介しているページにたどり着いた。

これにはちょっとビビっときた。
アシの腐葉土は排水性、通気性がよいそうで、キクやアサガオを育てるのによく使われるそうである。
河北潟干拓地は、もともと潟で水の中だった土地を田んぼではなく畑にしている。それ故、乾いた畑地の
他の生産地と競うには かなり不利なのだと聞いたことがある。レンコンが十分成果を上げているという
ことからも、それはよくわかる。
そこで土壌改良にアシの腐葉土を用いるのはどうだろう、と思ったのである。
まさにこれは河北潟干拓地に うってつけではないだろうか。河北潟産のアシを使って腐葉土を作り、
それを利用して、水質浄化と干拓地の土壌改良がいっぺんにできたら最高だな、と思う。
問題は腐葉土を作って、採算が取れるかどうかである。まず大量のアシを刈る人件費は膨大だろう。
ちなみに琵琶湖の方ではヨシ刈りボランティアのイベントが数多く行われているようだ。

河北潟では、人々の善意や水質浄化への思いだけではやっぱり無理か・・・・?
2004.3.19

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食肉流通センターに取材した話

金沢食肉流通センターは才田大橋の近くにある。1978年に建てられたえらく古い建物である。
ここでは1日平均、牛75頭、豚200頭が肉にされるそうである。牛はピストルで頭をドン、豚は電気
ショックで気絶させた後、動脈を切り出血死させる。土日は解体作業はお休みである。

一番驚いたことは、狂牛病が騒がれ始めてから、牛1頭1頭に個体識別番号というのが付けられて、
生産者やら生まれた日やらどこを通って運ばれたかまですべて一括管理されているということだ。
牛の耳の黄色い札にJP10桁番号とバーコードが付いていて、福島県にある日本国内のすべての牛を
管理する管理センターに番号を問い合わせると、即座にその牛の情報が返ってくるのだそうだ。

1頭1頭すべて狂牛病でないか検査してから肉にしていることも聞いてびっくり。その精度は98%以上
だそうだ。狂牛病は出たことはないが明日出るかもしれないと検査に余念はない。
脳とか目玉とか脊髄とか小腸の一部とかが危ないので、消却処分が義務づけられているそうだ。
その部分だけを取り出すのには1頭につき30分以上かかるので、首から上をそのまま燃やしている。
1頭の牛から燃やす部分は20kgだそうである。ということは1日に20kg×75頭=1500kgの消却
部分が出ることになる。毎日その1.5tを6〜7時間かけて燃やすそうである。
これはたいへんだ。ちなみに豚はほとんど燃やすところがないらしい。
また、1日に700立方メートルの汚水が出る。(血だらけだろうなあ)
これは学校のプール2杯分を超えているが、ちゃんときれいにして河北潟へ流しているそうだ。
毎月の水質検査で河北潟で一番汚れている場所がこの食肉センターから流されている水門のところ
なのだが、「毎月の検査は合格しています」とのこと。しかもCODその他、河北潟は閉鎖性水域なので、
他の場所よりも厳しい基準をクリアしているそうだ。

それならなぜあんなに汚い? なぜあんなに臭う? 夏の暑い盛りなどその付近は一面茶色い泡が
立ち、水の透視度は10cm以下である。
薄めて流して検査基準をクリアしても、長年流し続ければその場所が汚くなるのは当たり前でないか!

においに関しては、食肉センターは解体と焼却処分をするところなので、ほとんどにおいは出ない。
隣にある皮をなめす工場、油をとる工場から強烈なにおいがするという。

金沢食肉流通センターは建物老朽化のため、2004年4月1日から現在建設中の新しい施設に移る。
平成10年から計画・工事が進められてきたそうである。現施設と同じ数くらい肉を生産するが、衛生面や
環境面に配慮して設計され、工場の広さは2倍ぐらい、費用は約60億円もかかったそうである。
新しい施設には見学コースも用意されており、「新しくなったらどんどん見学にきてください」とのこと。
新しい施設でこれからは河北潟を汚さないようにしてほしいが、もう汚れてしまった水をきれいにする
つもりはないのだろうか。
2004.1.30

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カモの食害の話

カモによる農作物の被害は結構すごいらしい。カモたちは昼間は安全な湖上で休んでいるが、夜に
なると麦の畑に行き、いわゆる大麦若葉を食べるそうだ。健康にいいことを知っているのかどうかは
聞いてみないとわからないが、カモにとってはいいごちそうに違いない。
河北潟は本当にいいところだ。人はあまり来なくて安全だし、人間が食料を豊富に用意してくれている。
だから餌付けもしていないのに、昨年度には6万羽もカモたちが集まってきたのだろう。

しかし、当たり前のことだが、人間はカモのために作物を作っている気持ちはみじんもない。
にっくきカモである。
だから麦の畑では棒と肥料のビニール袋で旗を作り、ばたばたと音がするようにして、カモよけを
立ててある。それはかなりの本数である。あれだけ準備するのはたいへんだろうなあとつくづく思う。
しかし潟の縁におびただしい数の肥料の袋が落ちているのは、あのビニール袋が風で飛んでいった
ためではないかと思う。 これだけは何とかしてもらいたい。
「環境に優しい!年月がたつと自然に帰るカモよけ旗」 という製品はないものか。

もう一つ。レンコンも大きな被害をうけているらしい。ご存じのように河北潟のレンコンは最高だ。
某テレビ番組「どっちの料理ショー」で本日の特選素材として河北潟のレンコンが紹介された時は
見ていて感動した。そこには雪が降る寒い中、胸まで冷たい水につかりながら丁寧にレンコンを掘り
出す農家の方の姿があった。ちなみに石川県はレンコンを使った料理の種類が全国で一番多いらしい。

では、カモはそのおいしいレンコンを食べにくるのか。
それは無理というものだ。地中に埋まっているレンコンを食べようとしても、カモの首の長さでは
届かない。泥に首をつっこんで抜けなくなったらどうするの。そんなカモ見たことない。
ではなぜ被害なのか。
それはカモが泳ぎ回り、足でレンコンをひっかいてキズを付けてしまい、売り物にならなくなって
しまう被害なのである。カモはレンコンを食べにきているのではなく、レンコン田の水草などを食べて
いるつもりなのだが、それが農家に大損害をもたらしていることを知らない。また、根から水上へのびる
若い茎を食べてしまったり、折ったりすることで、レンコンがうまく育たないこともあるようだ。
ある生産者の話では、4分の1のレンコンがカモによって傷が付き、泣く泣く処分したということである。
時々レンコンが道ばたに山積みされているのを見かけることがあるが、それがそうなのだろう。

9月頃だったか、たまたま夕方7時半ぐらいにレンコン田のあたりを通ったときに、遠くから怪しい音が
近づいてきて、あまりの不気味さに思わず車を停めてしまったことがある。(そのときUFOだったらどう
しようとマジで思った自分がちょっとはずかしい)
その音の正体はレンコン農家の軽トラであった。しかしただの軽トラではない。大きなスピーカーが
積んであり、カモが嫌う音を出しながら、レンコン田の間をずっと巡っているのであった。
その並々ならぬ努力に恐れ入った次第である。
がんばれ!河北潟の生産者! エールを送りたい気持ちでいっぱいである。

話は飛ぶが、処分せざるを得ないレンコンからでんぷんを取り出すプラントを作るのはどうだ? 
という話を聞いたことがある。確かに、すりつぶしてしまえばキズは関係ない。
レンコンの加工食品を作る会社ってないのかな。
ポテトチップならぬレンコンチップなんてどう? バナナチップよりうまいと思う。
2004.1.25

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干拓地の排水ポンプの話

河北潟干拓地の排水ポンプはすごい。干拓地に降る雨は、支線排水路から幹線排水路に集められ、
ポンプ場から河北潟へ放出される。

10年ほど前、古本屋で見つけた「干拓の記(国営河北潟干拓建設事業完工記念誌 昭和60年 
北陸農政局河北潟干拓建設事業所 発行 ちなみに非売品)」によれば

ポンプ場名 ポンプ口径
(mm)
原動機 台数 排水量
(m3/sec)
ポンプ場排水量
(m3/sec)
全排水量
(m3/sec)
内灘 800 モーター 1.2×2 17.64 30.64
1500 モーター 4.92×2
1500 エンジン 5.4
津幡 1500 エンジン 5.1×2 10.2
金沢 800 モーター 1.4×2 2.8

という具合である。学校のプールを25m×8m深さ1mとするとだいたい200立方メートルぐらいであるが、
これらのポンプをフル稼働させると、プールの水を6秒ちょっとでくみ上げてしまうということである。
モーターとディーゼルエンジンの2種類があるが、これは普段動かすのはモーターのポンプ、大雨の時には
ハイパワーのディーゼルエンジンのポンプが活躍するそうだ。

当初ポンプ場は内灘排水機場だけだったらしい。これは干拓地で田んぼを作る計画であったためである。
稲は水につかっても被害は少ないのである。 しかし減反政策によって一転、畑を作るということになって
しまい、大雨の時の干拓地の水をかき出すポンプ場は3カ所になった。内灘排水機場に至ってはもう一つ
建物も増やされた。大きな四角い建物は干陸の時に干拓地内の水をせっせとくみ出したポンプ場で、小さな
三角屋根の方に多分ディーゼルエンジンのポンプが入っているのではないかと思う。
2004.1.25

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河北潟の概要と関係機関について

河北潟は2級河川大野川水系に属する。流域面積は279平方キロメートルで、石川県では手取川に
次いで2番目の広さである。
流入河川は2級河川として宇ノ気川、能瀬川、津幡川、森下川、金腐川、大宮川の6河川、準用河川・
普通河川では柳橋川、血の川など多数である。一方、放流河川は、大野川と河北潟放水路のみである。

河北潟の治水・利水管理を行う部署は以下の通り。
 ・河北潟の河川管理 ・・・石川県土木部河川課
 ・貯木場水門 ・・・石川県土木部港湾課
 ・放水路水門 ・・・石川県農林水産部農地整備課
 ・内水排水ポンプ ・・・金沢市、津幡町、内灘町、宇ノ気町、河北潟沿岸土地改良区
 ・取水ポンプ ・・・河北潟沿岸土地改良区、河北潟干拓土地改良区
環境保全を行う部署は次の通り。
 ・河北潟の河川環境 ・・・石川県土木部河川課
 ・河北潟の水質保全 ・・・石川県環境安全部環境政策課
 ・河北潟の自然保護 ・・・石川県環境安全部自然保護課
 ・河北潟流域の下水道整備 ・・・石川県下水道課
 ・河北潟流域の環境保全 ・・・金沢市、津幡町、内灘町、宇ノ気町、高松町
その他、河北潟干拓地 石川県農林水産部中山間地域対策総室がある。

1市3町にまたがる河北潟、川扱いで土木、調水池は農林、水質は環境安全課、管理の面でもバラバラ。
これじゃぁーねぇー・・・。
2003.12.28

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舟の話

昔は潟ぶちの農家は必ず舟を2艘持っていた。300歩の田んぼの稲を刈り取ると2艘でちょうど運べたそうだ。
今で言うトラックである。舟は小さな力でたくさん運ぶことができ、燃料代もかからず、何より自然に優しい。
干拓前には、河北潟近辺はいわゆるクリーク(水郷)で舟入川と呼ばれる川が網の目のように張り巡らされて
いたそうだ。
大場や八田あたりの人は、その舟で河北潟に出て、浅野川をさかのぼり、当時の繁華街、橋場町へ用事や
遊びに出かけたそうだ。また、一度、海まで出て犀川を上って、香林坊方面へ行くこともあったそうだ。
電車やバスが発達していなかったころ、舟は一番身近な交通手段だった。
木の舟は水を吸うせいか、どっしりと安定して揺れも少なく、転覆する心配もなかったらしい。

干拓完工(昭和60年:1985年)から18年。使われなくなった当時の舟が、潟ぶちに沈んでいるという。
もしかしたら今も使える木の舟が、沈んでいるかもしれない。
暖かくなったら、引き上げてみたいものだ。
2003.12.28

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浅野川の話

浅野川は現在、大野川に注いでいる。が、昔は河北潟に直接注いでいたそうだ。つまり河口を付け替えした
ということだ。今の野鳥観察舎のあたりが河口で、広大な三角州になっていて、野鳥の宝庫だったそうな。
そのあたりはシジミの産地で、1年中シジミが捕れ、シジミだけで生計を立てている人もいたようだ。

川というのは表面を流れる水の量と同じぐらい、地下を地下水が流れているのだそうだ。これを伏流水という。
昔、浅野川近辺の例えば須崎とか蚊爪、北間のあたりではちょっと掘っただけできれいな井戸水がわき出て
いたという。井戸の枠からあふれるくらいの大量の水が自噴していたところもあったらしい。
その水もきれいなままどんどん河北潟へ流れていたのだから、河北潟はさぞきれいな湖だっただろうと思う。
ところが、上流に工場ができ、地下水をどんどんくみ上げて使うようになると、その井戸は水が出なくなって
しまった。井戸がかれても上水道が整備され、誰も文句を言わないが、河北潟に代わって文句を言おう。
「失われた自然に対して、代価を払え!」
2003.12.28

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動物プランクトンの話

水質の浄化に関して、水のにごりの原因は植物プランクトンである。
その植物プランクトンを大量に発生させるのが、肥料分であるチッソやリンである。
このチッソやリンを除去していけば、水はきれいになるだろうが、田んぼからの排水が野放し状態では
とうてい無理な話だ。
ならば、この植物プランクトンを食べる動物プランクトンを、大量に飼育して河北潟に投入するという
作戦はどうだろうか。  (生態系を保つバランスが難しそうだが・・・)

河北潟は大根布防潮水門で海と切り離されているため、例えばウナギやエビ・カニやカイやヨシノボリなどの
稚魚などが行ったり来たりできない環境にある。これらの生物が効率よく植物プランクトンを食べてくれる
ようになれば、河北潟はまた清湖と呼ばれるようになるのではないかと思う。

条南小の5年生にこの話をしたところ、大根布の水門のところに魚道のようなものをつけてカニやウナギの
稚魚が通れるようにしたら・・・というアイデアが出た。
「おぬし、なかなかやるのう・・・」
2003.12.28

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モクズガニの話

中華料理でよく使われる上海ガニによく似ているモクズガニが、津幡川などにけっこういる。
この前、朝のテレビで山形県の山の方でモクズガニを養殖して、高級料理店に出荷している
というのが紹介されていた。
河北潟近辺でもモクズガニの養殖をやったらどうだろうか。
ちなみにテナガエビも料亭などに持ち込むと高く買ってくれるそうだ。天ぷらで揚げると
長い前足が見栄えがいいらしい。
単価が高いものならば十分採算が取れるのではないだろうか。
2003.12.28

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フナの話

富山県や滋賀県からふなを捕りに来ているらしい。
鮒寿司で有名な琵琶湖では条例により思うようにフナが捕れなくなっているのだそうだ。
河北潟に漁業権がないことをいいことに、トラックで乗り付け網を投げごっそりと何杯分も盗っていくという。
河北潟のフナを食べるのか・・・、まあ知らぬが仏である。
実際食べたことはないが、あんまり食べたいとは思わない。ワカサギはうまいらしい。

へらブナつりの愛好会と漁協では釣ったふなに印をつけ、売り物にならないようにして放しているそうだ。
ちなみにブラックバスを漁協に持って行くと1匹100円で買い取ってくれるそうだ。
2003.12.28

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ゆうきの里の話 

ゆうきの里は酪農団地から出る牛の糞尿を有機肥料に変える、すばらしい施設だ。
しかしその肥料は畑には使えないらしい。これは下水処理場から出る廃棄物と同じで、有害な金属物質
(カドミウムなど)が混ざっている可能性があるからだ。
だから例えばゴルフ場の芝生とか河川敷とか、山を切り開いて道路にしたところの崖に生やしてある草とか、
人間の口に入らないものにしか使うことができない。
ゆうきの里の一番の納品先は西川物産だったらしく、解散してしまったため、肥料の在庫が山積みされて
いるという。しかし、そうしている間にも糞尿は出る。牛に出してくれるな、とは言えない。
肥料を作っても作っても積んでおくだけとは、赤字もたいへんだろうなあ。
最近、九州のある業者がたくさん買ってくれるようになったらしい。でも九州まで運ぶのにどれだけコストが
かかるか、何とか地産地消できないものだろうか。
2003.12.28

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河北潟の堤防の話 

堤防は水面から普通3mの高さに作るものだそうだ。
で、その半分の1.5mで警戒水域となる。河北潟の場合は地盤沈下を見込んで当初から3.5mで作られた。
しかし、もともと水だった場所、そしてヘドロ状態の上に堤防を作ったから、地盤沈下はものすごい。
作ったときの高さから最大で1.7mも低くなっている所があるという。
競馬場裏が1番危ないらしい。(今、かさ上げ工事をやっているが)
警戒水域の1.5mまで水が上がってきた場合、3.5m−1.7m=1.8mの堤防では、つまりあと30cmの
余裕しかないのである。
堤防が切れるか水があふれるか、放水路は海面の満潮時にはほとんど役に立たないから、もし台風や長雨
が続き、それが満潮時と重なった場合、非常にヤバイのである。
山の方から流れ込む津幡川その他の川は、コンクリートの護岸工事により単なる水路と化しているので水が
短時間に大量に河北潟に流れ込んでくることも心配だ。
しかも圃場整備を農林の方で一生懸命やっていて、田んぼの高さが住宅地や道より高くなっているところが
多くなっているのである。
ということは・・・堤防が切れた場合、田圃に流れこむはずの水量分も確実に潟周辺の民家を直撃することに
なってしまう!。
ヤバイ! 我が家もヤバイ。 泥水が家の中に入り込んでくるのはイヤだ!
2003.12.28

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