あ と が き

  昭和38年に着工した河北潟干拓事業は、23年の歳月と302億円の事業費を投入して、ようやく完工の運びとなりました。ここに本省農政局をはじめ御指導、御協力を賜った石川県当局関係市町並びに地元関係者の方々に対し厚く御礼申し上げます。
  延宝元年(1673年)加賀藩五代藩主前田綱紀が着手して以来300年余の歴史を有する河北潟の干拓事業もこれで一応の区切りがつき、今日からは新生大地河北潟の新しい歴史が始まろうとしています。既に干拓地には28戸の入植者が酪農経営を、また250戸の農家が増反者として野菜やレンコン作りにとり組んでおられます。河北潟周辺1市3町の畑地面積は約2,300ヘクタールでありますが、これに新しく1,100ヘクタールの畑地が加わる事とな り、地域農業の振興に活力を与え、農業構造の改善に貢献するものと大きな期待を持っているところであります。
  このたび事業を完了するにあたり事業の推進に格別の御協力をいただいた関係各位並びに諸先輩の方々に事業の完工記念として国営干拓事業のあらましと工事の記録をとりまとめた「干拓の記」を作成しましたので御参考あるいは、想い出の一端としていただければ 幸いと存じます。

  昭和60年5月

                            河北潟干拓建設事業所   

所長  小川 武士

 

国営河北潟干拓建設事業

完 工 記 念 誌

発 行 日 昭和60年5月
編集・発行 北陸農政局
        河北潟干拓建設事業所
        石川県河北郡津幡町字庄ト1−1
印   刷 吉田印刷        

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